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熱帯魚の病気 細菌・ウイルス

    

抗酸菌感染症


  1. ノカルジア症
    【病原体】
    • Nocardia seriolae(放線菌類)
    • Nocardia asteroids(放線菌類)
    【所見】
    • Nocardia seriolaeはグラム陽性桿菌で、高水温期において一年魚以上の養殖ブリに発生します。
    • Nocardia seriolaeによるノカルジア症は、症状から「躯幹結節型」と「鰓結節型」に分けられます。
    • 躯幹結節型:躯幹部に膿瘍・結節が形成され、脾臓・腎臓には粟粒状の多数の結節が形成されます。
    • 鰓結節型:鰓にのみ結節が形成されます。

    • Nocardia asteroidsはネオンテトラなどの淡水魚に散発的に発生します。
    • 体のどこかに潰瘍を形成して皮膚に壊死・出血を起こし、皮下の筋肉・骨が露出します。眼球突出・体重減少・皮下結節・内臓に結節が認められます。

    【治療】
    • スルファメトキサゾール・ドキシサイクリン・ミノサイクリンが有効との報告があります。

  2. 抗酸菌症(マイコバクテリア症)
    【病原体】
    • 海水魚・人:Mycobacterium marinum(放線菌類)
    • 熱帯魚・海水魚:Mycobacterium fortuitum(放線菌類)
    • サケ科魚類:Mycobacterium chelone(放線菌類)
    【所見】
    • 観賞魚できわめて多い細菌感染症です。
    • 体のどこかに潰瘍を形成して皮膚に壊死・出血を起こし、皮下の筋肉・骨が露出します。露出部から細菌の二次感染が起こります。
    • 眼球突出・体重減少・皮下結節・内臓に結節が認められます。
    • 病魚の開放創から水平感染が拡大します。また、不顕性感染が起こるので、キャリア魚は糞中に細菌を持続性排出します。
    • 慢性的な病的状態や死亡が認められる水槽に発生しやすく、特に高齢魚に多発します。
    • Mycobacterium marinumは人にも感染しますので、傷のある手を水槽内に入れないようにしましょう。哺乳類に感染した場合、抗生物質が有効ですが感染コントロールに数週間から数ヶ月かかってしまいます。
    【治療】
    • 感染魚を隔離します。
    • 抗生剤治療が有効です。
    • 垂直感染するので、感染魚は繁殖させないようにしましょう。
    • 器具を塩素(100ppm・1時間)で殺菌しましょう。


 

     

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