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熱帯魚の病気 真菌

    

 


水カビ病

 ① 外部寄生水カビ病
【原因】
  • 原因菌:鞭毛菌類;
    Saprolegnia属(サケ科・ウナギ)・Achlya属(淡水熱帯魚)・Aphanomyces属(淡水熱帯魚)
  • Saprolegnia parasitica(サケ科魚類の水カビ病の原因として重要)
【所見】
  • 魚卵およびエラ・ヒレ・体表に線毛状の菌糸が発育し組織に進入します。
  • 組織が破壊されることにより、浸透圧調節機構が破壊され死亡します。
【発生時期】
  • 一年中
  • Saprolegnia属は、pHが弱酸性で低めの水温、有機物の腐敗などの条件でよく成長します。
【対策】
  • 硫酸銅・マラカイトグリーン・ホルムアルデヒド・塩化ナトリウムの薬浴が有効です。
  • マラカイトグリーンが有効ですが、発癌性があるために食用魚の使用は出来ません。

 ② 内部寄生水カビ病

  1. サケ科魚類稚魚の内臓真菌症
    • 原因菌:鞭毛菌類;Saprolegnia dickina
    • 所見:
      Saprolegnia dickinaは胃の幽門部で発育し、胃壁を貫通した後に腹腔内で増殖します。続いて各臓器内に菌糸を伸張し、最終的には体全体が菌糸に覆われます。外観的に感染魚は腹囲膨満がみられます。


  2. 真菌性肉芽腫症(流行性潰瘍性症候群)
    • 原因菌:Aphanomyces piscicida
    • 感染魚:アユ・キンギョ・カムルチー
    • 所見:
      感染初期には出血斑がみられます。最終的には筋肉内に肉芽腫が形成されたのち脱落し、潰瘍化します。

    • 発生時期:夏の高水温時(25℃以上)
    • 対策:有効な対策法は知られていません。
 
 
イクチオホヌス病
 
  • 原因菌:接合菌類;Ichthyophonus hoferi
  • 感染魚:
    主にニジマス・ブリ。海水魚・淡水魚の両方に発生します。
    経口感染し胃を初期感染部位とするので、無胃魚(コイなど)には発生しません。

  • 所見:
    腹水貯留、腹囲膨満、心臓・脾臓・肝臓・腎臓・腸管に結節が認められ、貧血・ストレスが加わると死亡します。
    外部病変は、皮膚の変色や複数の白い丘疹などがみられ、鱗が細かい種類では皮膚が粗く顆粒状にみえます(紙やすり様病変)。

  • 確定診断:ウェットマウント標本で丸~楕円形シストを含む肉芽腫を観察。
  • 発生時期:海産魚の場合、感染は20℃以下。
  • 対策:
    治療法は現在のところありません。予防策としては、フードに生ではなく一度冷凍した魚を与えること、病魚を除去するなどがあります。
 
オクロコニス症
 
  • 原因菌:不完全菌類(黒色真菌); Ochroconis tshawytschaeOchroconis humicola
  • 感染魚:サケ科魚類。
  • 所見:体表に潰瘍を形成し、腹水貯留を伴う腹囲膨満や腎腫大もみられます。

   
胃鼓脹症
 
  • 原因菌:不完全菌類;Candida sake
  • 感染魚:サケ科魚類。
  • 所見:胃内で異常増殖しガスを産生するため、胃拡張を起こし腹囲は膨満します。

     

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